自毛植毛後にパーマをかけることはできるのか？

自毛植毛では健康な自分の髪を薄毛部分に移し替えるため、人工毛を使用した場合に比べて自然な仕上がりになります。
薄毛が目立っていたときはできなかったヘアスタイルも、手術後なら自由にセット可能です。
中には、パーマをかけてイメチェンしようと考えている方もいるのではないかと思います。

しかしその一方で、
「移植した髪にパーマをかけても大丈夫なのかな？」
「何か注意する点はあるのかな？」
といった不安や疑問もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、「植毛後のパーマについて」をテーマにお届けしたいと思います。

■パーマをかけること自体は可能
髪質や生活スタイル、好みによってどのパーマをかけるかは人それぞれですが、いずれにしても自毛植毛後のパーマは可能です。
ただし、植毛してから数日、数週間でパーマをかけるのはNG。少なくとも1ヶ月以上の間隔を空けるようにしてください。

国内における植毛手術では、一般にストリップ法(FUT)が採用されています。
薄毛になりにくい後頭部にメスを入れ、ドナーとして皮膚ごと髪を採取。その後、薄毛部分にドナーを縫合し、定着させる手法です。そのため、手術後はどうしても切り口や縫合の痕が傷として残ってしまいます。
また、当院が採用しているダイレクト法(FUE)はメスを使わない手術法ですが、移植部に新たな毛穴を作成する過程で、どうしても極小の傷痕が生じてしまいます。

これらの傷は自然に治癒し、ふさがっていきますが、頭皮に負担がかかるとその限りではありません。
場合によっては傷口が広がり、治りが遅くなる、または出血する可能性があります。
そのほか、最悪の場合は移植した髪が定着前に抜け落ちることも考えられます。
個人差はありますが、一般に植毛してから約１ヶ月で髪が定着するとされているので、その間はパーマを控えるほうがいいでしょう。

■自己判断は危険
術後１ヶ月ほどの間隔を置けば通常どおりにパーマをかけられますが、これはあくまでも目安です。
移植した髪が定着するまでの期間には個人差があるため、１ヶ月経たずして定着することもあれば、逆に１ヶ月経っても定着しないこともあります。
「もう手術から１ヶ月経ったし、そろそろ大丈夫かな」と自己判断でパーマをかけてしまうと、あと一歩のところですべてを台無しにしてしまうことも考えられます。
このような事態を招かないために、主治医に相談し、了承を得たうえで正しくパーマをかけるようにしましょう。

■髪へのダメージを気にする方におすすめのパーマはコレ！
いかがでしょうか。
植毛後は、髪がしっかり定着したことを確認してからであれば、問題なくパーマをかけることができます。
しかし、パーマは髪を傷める要因のひとつとして挙げられることが多く、そのことを懸念している方もいるのではないでしょうか。
そのような方のために、髪へのダメージが少ないとされるおすすめのパーマをご紹介します。

①エアウェーブ
髪に温風を当て、乾燥させることで形を作るパーマです。
熱処理は髪に負担をかけてしまいますが、乾いた髪に130℃以上の熱を加える、または濡れた髪に60℃以上の熱を加える場合です。
高温で加熱することで髪を覆うキューティクルが傷んで剥がれてしまうほか、髪を構成するタンパク質が硬くなり、髪全体の手触りがゴワゴワした感じになってしまいます。
それに比べてエアウェーブは、50℃前後の温風をじっくり当てて形を作っていくため、髪へのダメージが少ないとされています。
また、ナチュラルな仕上がりになり、フワッとした手触りになりやすい点も人気です。

②コールドパーマ
最もベーシックであり、多くの人から親しまれているパーマがコチラ。
ロッドを巻き、専用のパーマ剤を使って形を作ります。
従来はこのパーマ剤が髪を傷める原因と言われることが多く、もしかすると今でもそう思われている方がいるかもしれません。
しかし、近年はパーマ剤の品質が格段に向上しており、髪へのダメージはかなり抑えられています。
また、前処理やパーマ後のアフタートリートメントを徹底しているサロンが増えているところからも、髪への配慮が伺えます。

ちなみに、高温で加熱することで形を作るデジタルパーマは、長持ちしやすい反面、熱による髪への負担が大きくなりやすいパーマです。
エアウェーブやコールドパーマと並んで多くのサロンで案内されていますが、髪への影響を気にするのであれば避けたほうがいいでしょう。